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かたぐるま

091213 194



それはまだ、姉夫婦が離婚する前のことでした。
とある春の日曜日。
「仁川に行こう」
と、誘われました。
兵庫県宝塚市、阪急電車仁川駅の近くには、阪神競馬場があります。
とまとは、賭け事はあまり好きでも得意でもありませんが、姉の夫(「元」とつけても「義兄」とは呼びたくない)は、賭け事が好きな人でした。
競馬場には広い公園があり、そこでメロンを遊ばせてやる事ができます。
でも、広い競馬場では、迷子になる心配が……。
競馬に夢中になったら、姉の夫はメロンの事を見ている余裕なんてないだろうし、姉1人で見るには競馬場は広すぎます。
それに、ずっと子守りをしてばかりでは、姉の息抜きになりません。
そこで、とまとも一緒に…と、誘われたわけです。
メロンにメロメロのおばちゃんが、一緒に遊べるチャンスを、断るはずがありません。
競馬に興味はないけれど、生まれて初めて、競馬場へと行きました。
その日は、確か桜花賞とゆうレースをやっていて、駅から競馬場までの道に植えられた桜が、満開でキレイだったのを覚えています。
賭け事は好きではないとまとですが、間近で見たサラブレッドは、キレイだなぁと思いました。
また、ゴール前を馬が全力疾走する姿は、例え馬券を買っていなくても、ど迫力で、格好いい! と思いました。
併設されている公園は広くて手入れが行き届いています。
噴水では、子供が安心して水遊びが出来るようになっていて、その日は暑かったこともあり、メロンはパンツ一枚になって、遊んでいました。

そんなこんなで、楽しい一日を過ごした帰り道。
迷子にならないよう、メロンは姉の夫に肩車をして貰っていました。
遊び疲れたメロンは、姉の夫の首につかまり、いつの間にか、コックリコックリ、舟を漕ぎ始めました。
「こんな危なっかしい体勢で、よく、眠る気になるなぁ」
とまとが、冷や冷やしながら見ていると、姉がうっとりした口調で言いました。
「この子は、幸せな子やなぁ」
と……
父親に、肩車されながら眠る。
それは、自分が父親に愛されている事を知り、また、自分も父親を愛しているからこそ、できる事なのだと、姉は言いました。
傍からみれば、不安定に見える肩車も、父親を信頼している子どもにとっては、安心して眠れる場所の一つなのだと。

とまとの父は、とまとが物心つく前に家を出てしまったので、とまとには、父親と過ごした記憶がありません。
しかし、とまとと5つ違いの姉には、父と過ごした楽しい日々の記憶が、あったのかもしれません。
もしかしたら、とまとが生まれる以前、父と母と三人で遊びに行った覚えがあるのかも…
そしてその帰り道、メロンと同様、父の肩の上で眠ってしまったのかもしれません。
その時の、幸せな気持ちを思い出したのでしょうか。
姉の夫の肩の上で、コックリコックリと眠るメロンを見て、姉は心からうっとりと、
「この子は、幸せな子やなぁ…」
と、言いました。
そう言う姉の顔も、幸せそうだ、と、とまは思いました。

「だからね。」
とまとは、ブロッコリーさんに言いました。
「らもちゃんが生まれたら、肩車してやって欲しいねん。そして、万が一その肩の上で、らもちゃんが眠ってしまっても、少しの間は、そのまま眠らせてやってて欲しいねん。肩の上で子どもが眠ったら、重くてしんどいやろうと思うけど……きっと、そうやって眠るらもちゃんの姿を見たら、あの時の姉ちゃんみたいに、とまとも、幸せな気持ちになれるんちゃうかなぁって、思うねん。だから、らもちゃんが生まれたら、肩車してやってね」
体格の良いブロッコリーさんのことですから、子どもを肩車するなんて、朝飯前のこと。
きっと簡単に「うん」と言ってくれるだろうと思ったら……
予想に反して、難しい顔をされてしまいました。
そして、こう言いました。
「そうか、父親に肩車してもらった覚えがなかったんか。それやったら、こんな風にお腹が大きくなる前に、僕が、一回くらい、肩車してやったら、良かったなあ」

心に響く言葉って、歯の浮くようなセリフじゃなく、こうゆう、さり気ない言葉なのかもしれないですね。
今、とまとが泣くと、らもちゃんの胎教に良くないと分かっていても、この言葉を思い出す度に、涙が止まらなくなる、とまとでした。

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No title

肩車かぁ・・・
うーん(汗)私も覚えてないですね(^^;
してもらった記憶が無い・・・
安心して眠れる場所というのはいいですねぇ~(^-^)

よくわかります~

『らもちゃんに会えるまで・・』のらもちゃんが大好きです。
今日も、肩車の記事を拝見し、らもちゃんと遊んでいたらジ~ンときてしまいました。
とまとさんとらもちゃんのこの幸せが、
ずっとずっと続きますように!

肩車

お父さん、お母さんが幸せならば、子供も自然と幸せになると思うんです。肩車はその象徴なのではないでしょうか。

わたしは・・時間の許す限り子供に肩車してあげています。

ですから、らもちゃんが生まれたらいっぱいいっぱい肩車してあげてくださいね(*^-^*)

こんにちは!(^^)!

素敵なお話ですね♪

そこまで、お姉さんの気持ちを汲み取るとまとさんは、既に、母親なのでしょうね❤

ぽち・ぽち・ぽち\(^o^)/

泣いても平気。

そんな時は泣いたって平気ですよ。
うれしいんですもの。

見ている私たちだって、いいなって思いますもの
幸せでしょ??とまとさんリラクスしてません??
なら、それでOK!!
生まれてきた赤ちゃんも
ブロッコリーさんにメロメロでしょうね。

とまとさんこんにちは♪

とまとさんは本当に幸せですね☆
ブロッコリーさんの言葉に私も心が温かくなりました(*^。^*)

今日はお天気も温かく心もぽかぽかになりました(●^o^●)

とまとさんありがとうございました(^^♪

PS先日の記事も拝見させていただきました。コメントの返事はきにしないでくださいね☆

お元気そうで

何よりです♪

こうなったら「今の状態」で肩車、してもらいましょうか?(^○^)

思わずホロリ・・

ブロッコリーさん、本当に優しいご主人なんですね。

温かい優しさに触れた嬉し涙ですから、お腹のらもちゃんも、きっと平気ですよv-410

No title

ブロッコリーさん、今回は素晴らしい一言ですね。
嬉し泣きできるのは幸せなことですよ(^o^)丿

こんばんは。

あたたかい言葉ですね。 記事を読ませていただく者にも優しさが伝わってきて、
幸せな気持ちにしていただけました。
素敵な記事をありがとうございました。感謝します♪

No title

 今日も良いお話でしたね~私も小さい時のことはあまり覚えていませんが、お父さんの背中ってあったかい気がするね。
 らもちゃんが生まれて体が軽くなったら、とまとさんもブロッコリーさんの背中に抱きついてみてくださいね。

No title

はじめまして
 
私のブログを覗いて下さって有難うございます。初めてコメントさせていただきます。
 
今日の記事よんで、こっちがとても幸せな気持ちにさせて頂きました。

その涙は、胎教にいい涙だと思いますかよ。

うちの長男のお嫁さんも今2人目がお腹にいて(6ケ月かな)、胎教にいいことを・・と家族みんなが思っていますが、何と言ってもお母さんが幸せなことが一番ですよね。

幸せなマタニティー☆

ブロッコリーさんの温かさに改めて感動し涙が溢れました。
ブロッコリーさんの優しさは、とまとさんから得たものが沢山あるのでは?
そして、とまとさんの優しさは、ブロッコリーさんから得たものが沢山あるのでは?
優しさが行ったり来たり♪優しさが溢れてるお二人だから出来る業。
らもちゃんは幸せだな~☆ その優しさを肩車から受けられるんですもんね~。
幸せマタニティー生活にポチ~♪

No title

やっぱりエッセイストやね
肩車した息子は今や100kg弱

しかし肩車って言葉、最近聞かんねえ

No title

子どもが育つ魔法の言葉
いい本ですよね。私も何回も読みました。
肩車! いいですね。
その場面を想像しちゃいます。

No title

なんてやさしいブロッコリーさんの言葉
トマトさんはお幸せですね。
やさしい御両親に囲まれて、ラモちゃんは
幸せに育っていきますよ。
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